ドヌム・プレミアムのシーン

チリの果実に、フランスの輪郭を重ねる。ドヌム・プレミアムの二重精度

グラスに注いだ瞬間、チリの果実が先に走り、フランスの輪郭があとから追いつきます。

冷蔵庫から出したボトルを、少しだけ台所に置いてから開けます。香りが立ち上がるまでの数秒に、このシリーズの狙いが出ます。果実の明るさが先に来て、次に木の香りと渋みが、線を細く引き直すようにまとまっていく。ドヌム・プレミアムは、その順番が崩れにくいワインです。

鍵になるのは、二重精度という考え方です。

二重精度とは、土地の勢いを土台に置きながら、造りの技術で仕上げの線を引き締めることです。ドヌム・プレミアムは、チリの肥沃なテロワールを受け止めつつ、フランス流の造りを重ねるシリーズとして語れます。テロワールは、土地と気候が味に与える土台のことです。フランス流の造りは、手数の多さではなく、狙った形に収めるための精密さだと考えると腑に落ちます。

公式情報では、数量限定で生産され、収穫はハンドピックで行い、トロンセのフレンチオーク樽で熟成する、という骨格が示されています。ハンドピックは手摘みのことです。トロンセは、樽材として名高いフランスのオークの産地名として知られています。

まず見たいのは、チリ側が生む余力です。

ドヌム・プレミアムの産地として示されているのは、セントラル・ヴァレーの中でもラペル・ヴァレーに属するアルト・カチャポアルです。気候は地中海性で、年間降水量は約340mmとされ、昼と夜の気温差が大きいと説明されています。温度差が大きい土地は、日中に果実が育ち、夜に酸が落ちにくいと言われます。酸は、ワインの骨組みになるすっぱさのことです。

土壌については、鉱物質が高く、砂質で岩石を多く含む、と示されています。この説明が効いてくるのは、後味です。果実味が豊かでも、だらだら甘く残らず、塩味のような感覚が出て、口の中が引き締まる方向へ向かいやすい。ここが、家で飲んだときに疲れにくい理由になります。

次に見たいのは、フランス側が作る輪郭です。

二重精度の後半は、造りの精密さです。レッドブレンドは発酵温度が28度から30度、熟成はトロンセのフレンチオークで14ヶ月と示されています。シャルドネは発酵温度が18度から20度、熟成は同じくトロンセのフレンチオークで12ヶ月です。ホワイトブレンドは発酵温度が12度から14度で、熟成はステンレスで6ヶ月です。ステンレス熟成は樽の香りを足さず、果実と酸の輪郭をそのまま出しやすい方法です。

つまり、赤とシャルドネは樽で質感を作り、ホワイトブレンドは酸の切れ味で勝負する。シリーズ内で役割を分けているところが、ただの高級ラインで終わらない面白さです。

レッドブレンドは、丸さの中に芯を残す赤です。

品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、カベルネ・フランと示されています。香りは熟した赤系果実と黒系果実に、スパイスや植物の気配が重なり、空気に触れると革や葉巻のような複雑さも出る、と説明されています。渋みはタンニンと呼ばれる成分で、ここではシルキーに溶け込むとされています。飲み口はミディアムフルボディで、酸が瑞々しく、余韻にミネラル由来の旨みが現れるという流れです。

家飲みで合わせるなら、赤身肉でも脂が重すぎない部位が合います。ローストビーフなら、胡椒をきかせて、仕上げに少しだけ塩を立てると、ワインの芯と噛み合います。チーズは、熟成の香りが強すぎないハード系が向きます。サービング温度は17度から18度が目安と示されています。冷たすぎると渋みが硬く感じやすいので、室温に少し馴染ませるほうが安全です。

ホワイトブレンドは、酸の切れと青い香りを楽しむ白です。

品種はソービニヨン・ブランとセミヨンと示されています。香りはグレープフルーツや青りんごが立ち、時間差でパッションフルーツの繊細な果実香が出る、と説明されています。味わいは酸がとても豊富で、後半にグアバやトマトの葉のような青い印象も残る辛口です。サービング温度は10度から12度が目安とされています。

この白が似合うのは、最初のひと皿です。白身魚に柑橘を搾ったカルパッチョ、塩とオリーブオイルのシンプルな前菜、ハーブを効かせた鶏の冷製など、香りが軽い料理が良いです。甘いデザートにも合うとペアリング例に含まれていますが、日常なら果物の酸味を使ったものが寄り添います。たとえば柑橘のゼリーのように、香りが明るくて余韻が短いものです。

シャルドネは、厚みと塩味が長く続く白です。

香りの説明はかなり情報量が多く、ハーブ、洋梨、白桃、カリンの果実感を、シトラスが引き締める、とされています。そこに白い花、ペトロール、蜜蠟のオイリーな印象、シナモンやココナッツの甘いスパイス、樽由来のバニラが重なるという流れです。ペトロールは、火打ち石のような香りを指す表現として使われます。味わいはドライで、心地よい苦みと、瑞々しい酸味、ミネラル由来の塩味が厚みを作り、余韻が長いとされています。

品種はシャルドネの中でもアルヴィアルとコールヴィアルという表記があり、同じシャルドネでも系統の違いを組み合わせていることが示されています。細かな説明は不要ですが、単一の香りに寄せず、幅を持たせる意図が読み取れます。合わせる料理はシーフードや白身肉とされ、家ならバターの香りをうっすら使うと良いです。ホタテのソテー、白身魚のムニエル、鶏むねのクリーム煮のように、香りと質感が重なる料理が合います。サービング温度は13度から15度が目安です。

評価は結論ではなく、座標として使うと迷いが減ります。

点数や受賞歴は、好みを決めるものではありません。ただ、ワインがどの方向にいるのかを知る座標になります。公式の受賞歴ページでは、ドヌム・プレミアム レッドブレンドにJames Sucklingで2018年が92点、ホワイトブレンドに2017年が91点、シャルドネに2019年が90点といった情報が示されています。ほかにも国別のコンクールでのメダル表記が並びます。こうした情報は、チリの果実味に寄せた甘さ一辺倒ではなく、形を作る方向で評価されている可能性を示す材料になります。

開けた当日だけで判断しないほうが、このシリーズは得をします。

オンラインショップのレビューには、翌日以降においしさが増したと受け取れる声も見られます。もちろん感じ方には個人差がありますが、樽の要素を持つ赤やシャルドネは、空気に触れて香りがほどけることがあります。初日はグラスの中で少し待ち、次の日は温度を合わせてから一口目を確かめる。その程度で、印象が動くことがあるワインです。

保管については、未開封なら13度から15度を目安にし、光や匂い、振動を避け、コルクの乾燥を防ぐために横向きが良いという案内があります。開封後は冷蔵庫で3日から1週間以内に味が変わる可能性があるとも示されています。家飲みでは、無理に飲み切るより、変化を楽しむほうがこのシリーズの設計と噛み合います。

ドヌム・プレミアムは、チリの勢いを消さずに、フランスの精度で着地させるシリーズです。果実を前に出したい日もあれば、輪郭のある余韻が欲しい日もあります。そのどちらにも寄り添えるのが、この二重精度の強みでしょう。飲む人の気分に合わせて、レッドブレンド、ホワイトブレンド、シャルドネの順番を入れ替えるだけで、家のテーブルの表情が変わります。

お酒は20歳になってから。体調や予定に合わせて、無理のない量で楽しんでください。

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