グラスに注いだ瞬間、香りの輪郭を決めるのは原料です。
テキーラは、樽や熟成年数の話に進みがちです。もちろん、それも大事です。ただ、入口でいちばん差が出るのは、何から甘みを取り出して蒸留したか、という一点です。エルチャビィの「ブルーアガベ100%」は、その原料の選び方をはっきり示しています。ここでいうブルーアガベは、テキーラのために選ばれてきた特定のアガベの品種で、香りと余韻の土台になります。
今日の合言葉は、アガベの芯の甘さです。
ブルーアガベは、サボテンの仲間ではなく、リュウゼツランと呼ばれる植物の一種です。葉が青みがかった緑に見えることがあり、そこからブルーと呼ばれます。大事なのは葉ではなく、中心部に育つ大きな塊です。テキーラ造りでは、その中心部を加熱して甘みを引き出し、発酵させ、蒸留してお酒にします。つまりブルーアガベとは、香りの原点になる甘みのタンクのような存在だと言えます。
ブルーアガベ100%が示していること
「100%」は、発酵に使う甘みの元が、すべてブルーアガベ由来だという意味です。テキーラには、アガベ由来の甘みに加えて別の甘みを混ぜて造るタイプもあります。カクテルに向けて設計されることも多く、悪いわけではありません。ただ、アガベの香りを主役として味わいたい人にとっては、原料が明快なほうが選びやすいです。エルチャビィの表記は、その迷いを減らしてくれます。
ブルーアガベは、色ではなく、テキーラのルールの入口です。
アガベには多くの種類があります。葉の色も、緑が強いもの、灰色がかったもの、模様が入るものなど、見た目はさまざまです。ただし「テキーラ」という名前で販売できるお酒は、決められた地域で、決められた品種のアガベを中心に造るというルールの上にあります。ここで主役になるのが、ブルーアガベです。見た目の青さというより、テキーラというお酒が成立するための条件だと考えると分かりやすいでしょう。
収穫までに時間がかかる理由
ブルーアガベは、植えてすぐに収穫できる作物ではありません。甘みが中心部に十分たまるまで、年数が必要です。だからこそ、同じブルーアガベでも、その年の育ち方や畑の環境で香りの出方が変わります。単純な甘さではなく、青い草のような清涼感、胡椒のような刺激、ほのかな蜜のニュアンスが重なって、テキーラらしさが生まれます。
香りを決めるのは、加熱の仕方と発酵の進め方です。
ブルーアガベの中心部は、そのままでは発酵しやすい甘みに変わりません。そこで加熱します。加熱によって、甘みが使いやすい形に変わり、発酵が進みます。ここで焦ると、香りが荒くなったり、甘さが単調に寄ったりします。逆に、時間をかけて甘みを引き出すと、香りに奥行きが残りやすいです。発酵は、甘みをアルコールに変える工程です。香りの前半を作る工程でもあります。果実のような華やかさが出ることもあれば、土っぽい落ち着きが前に出ることもあります。どちらが正しいという話ではなく、家で飲むときの気分に合わせて選べる幅になります。
蒸留で残るもの、切り落とされるもの
蒸留は、香りを集める作業です。同時に、雑味になりやすい成分を切り分ける判断でもあります。ここで残された香りが、グラスに注いだ瞬間の第一印象になります。アガベの青さが立つタイプは、ライムを添えなくても輪郭が出ます。甘い香りが寄るタイプは、ストレートでゆっくり飲むと、余韻の温度が心地よく感じられます。
家飲みで効くのは、塩と柑橘ではなく、温度と一口目です。
テキーラというと、塩と柑橘のイメージが先に立つかもしれません。もちろん、それが楽しい場面もあります。ただ、ブルーアガベ100%のプレミアムテキーラは、まず香りを見たいお酒です。冷やしすぎると香りが閉じ、温めすぎるとアルコールが先に出ます。目安としては、冷蔵庫から出して少し置いた温度が扱いやすいです。グラスは口がすぼまりすぎない形が向きます。香りが逃げすぎず、甘みの影が読めます。
飲み方の提案は、薄める順番だけ覚えておくと迷いません。
ストレートで香りを確かめたあと、少量の水を足すと、アガベの甘い部分が前に出ることがあります。炭酸で割るなら、テキーラを先に入れてから炭酸を注ぐほうが、香りが崩れにくいです。氷は入れても構いませんが、最初から大量に入れると香りが読みにくくなります。ゆっくり飲む夜ほど、最初の一口を小さくして、香りの方向を掴むほうが満足が長続きします。
プレミアム感は、強さではなく、余韻の説明力に出ます。
ブルーアガベ100%だからといって、すべてが高級という話にはなりません。値段も設計も幅があります。ただ、少なくとも、アガベの香りを味の中心に置くための前提は揃っています。エルチャビィを選ぶ意味は、強い刺激を求めることではなく、香りと甘みがどう繋がるかを確かめることにあります。ひと口目に草の気配が来て、次に甘い影が追いかけ、最後に軽い苦みが残る。そういう順番が見えたとき、このボトルは家の棚に置く理由を持ちます。
テキーラを難しい酒にする必要はありません。ブルーアガベは、味の話を分かりやすくしてくれる入口です。今夜は、香りの輪郭だけを確かめてみてください。そこから先の飲み方は、その日の気分が決めてくれます。
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