鍋の主役は、味そのものより香りの設計です
冷蔵庫を開けて、何をつまみにするかより先に、今夜はどんな香りで飲みたいかを考える日があります。もつ鍋「やみつきの黄」は、その気分にまっすぐ効く鍋です。京都のだしと白味噌の骨格を残したまま、カレーのスパイスを重ねていく。重たいカレー鍋とは違い、味噌とだしと牛もつの旨みが同じ方向へまとまっていきます。
名付けるなら、香りで飲むもつ鍋です
ここでのキーワードは香りの持続です。最初のひと口で強く押してくるのではなく、食べ進めるほどに、だしの旨みとスパイスが混ざり合っていきます。亀八が言うところの育つスープとは、食べるほどに旨みが上がっていく状態のことです。もつの脂が溶けて、野菜の水分が出て、そこに白味噌とスパイスが寄り添う。鍋の中で完成していく感じがあります。
本店にしかなかった黄鍋を、家で再現できるセットです
この「やみつきの黄」は、亀八の本店にしかない鍋として語られてきました。きっかけは営業後のまかないで、白もつ鍋のスープにスパイスを少し足した遊び心だったそうです。そこから、味噌とだしと牛もつの旨みが崩れないところまで調合を詰めた結果、よくあるカレー粉で押し切る鍋ではないところに着地しています。店で働くスタッフにも人気だと紹介されているのは、味の方向がはっきりしているからでしょう。
選べる人数感と、セットの中身
セットは2種類あります。3人から4人前は近江牛もつ400g、スープ900cc、麺約320g、後入れスパイスが入っています。2人から3人前は近江牛もつ300g、スープ800cc、麺約240g、後入れスパイスが入っています。薬味のサービスとして鷹の爪、ごま、柚子胡椒、にんにくも付くと記載されています。
野菜はセットに含まれません。店ではキャベツ、ニラ、もやし、豆腐、ごぼうを使うと案内されています。家で作るなら、キャベツは多めにして甘みを出し、ニラは最後に入れて香りを立てると、この鍋の狙いが活きやすいです。
もつの印象が変わる理由は、素材と下ごしらえです
もつは近江牛小腸、京都産黒毛和牛小腸、国産牛小腸のみを使い、安価なミックスホルモンは使わないと説明されています。柔らかさだけでなく、歯ごたえと脂の甘みが両立しやすい部位に寄せているのがポイントです。さらに、くさみを落とす工程として4段洗いが紹介されています。入荷後すぐの水洗いから始め、小麦粉を混ぜて揉み洗いし、さらに水で揉み、最後に流水で洗う。これで旨みだけを残すという考え方です。
麺まで含めて、黄鍋の完成形です
〆の麺は京都の老舗製麺所の石臼挽き麺とされ、白味噌のスープに絡みやすく、伸びにくい方向で選ばれたと書かれています。国産小麦にタピオカ粉を混ぜ込むことで、もちもち感を出しているのも特徴です。鍋の最後に、麺がただの締めにならず、もう1度盛り上がる設計になっています。
黄鍋は、残ったスープの使い方で記憶に残ります
黄鍋の真価は、食べ終わりにもう1度来ます。本店では黄鍋限定の濃厚チーズ麺が人気だと紹介されています。家でも、シュレッドチーズと粉バジルがあれば寄せられます。スープを少し別に取っておき、ご飯に吸わせてからチーズをなじませるチーズリゾットも提案されています。辛さで押す鍋ではないので、チーズの甘さと喧嘩しにくいのも強みです。
追加で広がる楽しみ方も用意されています
もっと濃くしたい日には、追加で黒毛和牛もつ150gが用意されています。松坂牛もつ150gという数量限定の選択肢もあり、脂の甘みが特徴だと説明されています。麺1玉と追加スープ黄400ccのセット、追加スープ黄400ccの単品も掲載されています。人数が増えた日や、〆をもう1回やりたい日に手が届くのは、家飲みには助かります。
買う理由は、新定番を試す価値があるからです
もつ鍋は白味噌の京都らしさで完成していると思われがちです。もちろんそれは正しいです。ただ、同じ土台にスパイスを足しただけで、酒の進み方も、〆の着地も変わります。亀八の紹介文や声でも、一度食べると戻れないという言い回しが出てきますが、そこには理由があります。味噌だしの安心感を残しながら、香りの方向だけを少しずらしているからです。
今夜は白ではない気分だなと思ったら、黄にしてみてください。鍋の中で旨みがまとまっていく感覚が、家の時間を少しだけ豊かにしてくれるでしょう。
アレルギー表示について
アレルギー表示は、一部に小麦、大豆、豚肉、牛肉、鶏肉、ごま、ゼラチン、乳成分を含むと記載されています。家族や同席の方に気になる食材がある場合は、購入前に確認しておくと安心です。


